開発途上国等には、経済発展・産業振興の担い手となる人材の育成を行うために、先進国の進んだ技能・技術・知識(以下「技能等」という。)を修得しようとするニーズがあります。
我が国では、このニーズに応えるため、諸外国の青壮年労働者を一定期間産業界に受け入れて、産業上の技能等を修得してもら う「外国人技能実習制度」という仕組みがあります。この制度は、技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っています。
外国人技能実習制度は、日本の企業が中国やベトナム、インドネシアなどの若者を技能実習生として受け入れ、彼・彼女達が実務を通じて日本の高い技術を修得するための制度です。
一般的に受入れ可能職種に該当する企業は、協同組合等を通じて受入れる「団体管理型」を利用しての技能実習生を受け入れる事が可能となります。入国した技能実習生は実習実施機関(企業)と雇用契約を結び、実践的な技術を磨くために3年間技能実習を行います。
新興国ではまだまだ技術の進歩は遅く、彼らは後に母国で活かすため技能実習期間を精一杯技術の習得に励みます。
母国の将来を背負って立つべく選ばれた若者たちが現地で3ヵ月以上、入国後約1ヵ月の日本語教育を経て、企業の現場での実習に入ります。
約1年間の現場での実習経験を積んだ実習生たちは後輩が出来ることで「責任感」が生まれ、一層のレベルアップが望まれます。
2年間の実習経験で技能実習生達は技術と自信を身につけます。企業の人間関係の中でさらに深い知識や技術を身につけ、複雑な仕事をこなしていきます。
「技能実習生」は初年度に「技能実習生1号」として入国し、まず初めに1ヵ月間の講習を受け、日本語や日本での生活知識を身につけます。そして2年目は、より高い実践的な能力を身につけた上で、「技能実習生2号」として2年間の技能実習を行います。
ただし、「技能実習生2号」となるためには対象職種の技能検定試験に合格しなければなりません。
この検定試験の技能実習生の合格率はなんと9割以上で、実習生のやる気が感じられます。
技術を学ぶために日本に来ている技能実習生は、とても意欲的で熱心です。
彼らの仕事に対する姿勢や勤勉な態度に触れることが、従業員にとって良い刺激となります。
全体の業務意欲向上にもつながり、全体に良い影響を与えます。
担当する指導員が改めて作業工程やマニュアルを見直し、作業効率の改善につながります。
さらに業務を任されることにより、誇りを持ち仕事に向き合うようになり、企業全体に良い影響を及ぼしているといえます。
指導員の下、生産活動や工事施工等される「実務実習」が含まれるため、生産力の一部に寄与することも期待されます。
ただし、あくまでも「技能実習」が目的なので、単に「労働力」として受入れるのではなく、教育や訓練に主眼を置いた処遇が必須となります。
グローバル化の波の中、外国人技能実習生との異文化交流を経験で社内の国際化が進み、今後外国人との文化の違いに戸惑うことなく接するためのノウハウが無理なく身につきます。